「痛くないから大丈夫」が危ない!歯の定期検診を先延ばしにする3つの深刻なリスク

「歯医者に行くのは、歯が痛くなってから」 そうお考えではありませんか?

しかし、痛みや違和感といった自覚症状がないからといって、お口の中が健康とは限りません。むしろ、症状がないまま静かに進行する病気こそ、定期検診で早期に発見することが重要なのです。

今回は、つい検診を先延ばしにしてしまった場合に起こりうる、3つの大きなリスクについて解説します。

 

【リスク1】気づかぬうちに進行する“見えない虫歯”

初期の虫歯は、歯の表面のエナメル質が少し溶け始めた段階で、痛みを感じることはほとんどありません。 しかし、それを放置すると虫歯は歯の内部へ静かに侵攻し、神経に達して初めて「痛い!」と感じることになります。その時点では、すでに治療が大掛かりになってしまうケースが少なくありません。

定期検診では、プロによるクリーニングで虫歯の原因となる歯垢や歯石を除去するのはもちろん、必要に応じてレントゲン撮影を行い、歯と歯の間や詰め物の下など、目では見えない隠れた虫歯を早期に発見することができます。

 

【リスク2】全身の健康を脅かす“歯周病”

歯周病は、ギネスブックにも認定されている「世界で最も蔓延している病気」ですが、初期段階ではほとんど自覚症状がないため「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」とも呼ばれています。

恐ろしいのは、お口の中だけの問題に留まらないことです。 歯周病菌やその毒素が歯ぐきの血管から体内に入り込むと、血流に乗って全身を巡り、糖尿病の悪化、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、さらには認知症などのリスクを高めることが、近年の研究で明らかになっています。 お口の健康は、全身の健康を守るための入り口なのです。

 

【リスク3】雪だるま式に増える“治療費と時間”

 

虫歯も歯周病も、進行すればするほど治療は複雑になり、通院回数も増えていきます。

厚生労働省の統計でも、ごく初期の虫歯(C1)と神経まで達した重度の虫歯(C4)では、治療にかかる費用が大きく跳ね上がることが示されています。 数千円で済んだはずの治療が、歯を残すための高度な治療や、抜歯後のインプラント・ブリッジなどの処置で数十万円単位の費用になることも珍しくありません。

治療のために何度も仕事を休んだり、プライベートな時間を削ったり…そんな時間的なコストも、決して無視できない負担となります。

【画像案:治療費が進行度によって上がっていく様子を示すシンプルなグラフ】

 

未来の自分への投資。今日からできるセルフケア

定期検診の重要性をご理解いただけたでしょうか。 将来の健康トラブルを避けるために、今日からぜひ始めていただきたい習慣をご紹介します。

  • 3~4ヶ月ごとの検診予約を、スマートフォンのカレンダーに登録する
  • 虫歯予防効果の高い高濃度フッ素配合(1450ppmF)の歯磨き剤を使う
  • 就寝前の歯磨きに、デンタルフロスや歯間ブラシをプラスする

早期発見・早期治療は、あなたの歯だけでなく、大切な時間とお金を守ります。 お口の健康チェックは、未来の自分への最高のプレゼントです。何も症状がなくても、まずは一度、お気軽にご相談ください。