噛み合わせ治療

噛み合わせ治療

記事公開日:

2024年12月22日

最終更新日:

2025年3月30日

噛み合わせの重要性|全身の健康にも影響します

「噛み合わせ」は、単に食べ物を噛むためだけのものではありません。実は、全身の健康にも大きく影響しているのです。噛み合わせが悪いと、以下のような様々な不調を引き起こす可能性があります。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 首の痛み
  • 腰痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 消化不良
  • 顎関節症
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 歯の破折
  • 歯周病の悪化

これらの症状は、一見すると歯とは関係ないように思えるかもしれませんが、噛み合わせの乱れが原因で起こっていることも少なくありません。噛み合わせの不調を放置すると、症状が悪化したり、他の病気を引き起こしたりする可能性もあります。少しでも違和感を感じたら、早めに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。

噛み合わせの違和感、原因は?

噛み合わせの違和感の原因は、主に以下の2つが考えられます。

詰め物や被せ物の高さの不具合

虫歯治療などで詰め物や被せ物をした後に、噛み合わせが高すぎたり、低すぎたりすると、違和感が生じることがあります。このような場合は、詰め物や被せ物を調整したり、作り直したりすることで、改善することができます。

顎関節症

顎関節症とは、顎の関節や、顎を動かす筋肉(咀嚼筋)に異常が起こり、痛みや口が開けにくい、顎の関節から音がするなどの症状が現れる病気です。

顎関節症は、その病態によって、以下のように分類されます。

  • Ⅰ型 咀嚼筋障害:顎を動かす筋肉(咀嚼筋)の痛みやこわばりなどが主な症状です。
  • Ⅱ型 関節包・靭帯障害:顎関節を包む関節包や靭帯の炎症や損傷が原因で起こります。
  • Ⅲ型 関節円板障害:顎関節の中にある関節円板(クッションのような役割をする組織)の位置がずれたり、変形したりすることで起こります。
    • Ⅲa型 復位性関節円板前方転位:口を開ける時に、ずれた関節円板が元の位置に戻るタイプ。口を開ける時に「カクッ」と音がすることが多い。
    • Ⅲb型 非復位性関節円板前方転位:口を開ける時に関節円板が元の位置に戻らず、引っかかって口が大きく開けられない状態(クローズドロック)。
  • Ⅳ型 変形性関節症:顎関節の骨が変形することで起こります。
  • Ⅴ型 その他:上記に分類されないもの。

一般的に、顎関節症の中で最も多いのがⅢ型(関節円板障害)で、全体の半数以上を占めるとされています。Ⅲa型が進行すると、Ⅲb型に移行することが多いと言われています。

【顎関節症の原因】
顎関節症の原因は一つではなく、複数の要因が複合的に関与していると考えられています。

    • 噛み合わせの悪さ
    • 歯ぎしりや食いしばり
    • 姿勢の悪さ
    • ストレス
    • 外傷

など

顎関節症治療

当院では、まず、問診、視診、触診、レントゲン検査、CT検査などを行い、顎関節症の原因や症状の程度を詳しく診断します。
その上で、患者様一人ひとりに合った治療計画を立案し、ご提案いたします。

顎関節症の治療法

顎関節症の治療法は、症状や原因によって異なりますが、基本的には、以下のような保存療法から開始します。

生活習慣指導

顎関節症の原因となる生活習慣(姿勢の悪さ、食いしばり癖、片側噛みなど)を改善するためのアドバイスを行います。
具体的には、

  • 正しい姿勢を保つ
  • 硬いものを避ける
  • 左右均等に噛む
  • ストレスを解消する
  • TCH是正(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)

など、日常生活で気をつけるべき点について指導いたします。
TCHとは、Tooth Contacting Habitの略で、上下の歯を無意識に接触させる癖のことです。通常、安静にしている時は、上下の歯は接触していません。しかし、TCHがあると、長時間にわたって弱い力で歯や顎関節に負担がかかり、顎関節症の原因となることがあります。当院では、TCH是正のための指導も行っております。

理学療法

顎関節や咀嚼筋の緊張を和らげるために、マッサージやストレッチなどの理学療法を行います。ご自宅でできる簡単なエクササイズなども指導いたします。

薬物療法

痛みが強い場合や、炎症が起きている場合には、鎮痛剤などの薬を処方することがあります。

マウスピース治療(スプリント療法)

就寝時にマウスピース(スプリント)を装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる顎関節や歯への負担を軽減します。
マウスピースには、様々な種類があり、患者様の症状や顎関節の状態に合わせて、最適なものを選びます。

    • スタビライゼーション型
    • 前方整位型

など

マウスピースは、保険適用で作製することができます。「顎関節症 マウスピース」は、症状緩和に有効な治療法の一つです。

外科的療法

上記の保存療法で症状が改善しない場合や、顎関節の構造に問題がある場合には、外科的治療を検討することもあります。外科的治療には、関節鏡手術や関節腔内洗浄療法などがあります。当院では、外科的治療が必要と判断した場合は、連携している大学病院や総合病院などの高度医療機関をご紹介いたします。

よくある質問(FAQ)

よくある質問

顎関節症は自然に治りますか?
軽度の顎関節症であれば、自然に治ることもあります。しかし、症状が長引いたり、悪化したりする場合は、早めに歯科医院を受診することをおすすめします。放置すると、慢性化したり、重症化したりする可能性があります。
顎関節症の治療は痛いですか?
顎関節症の治療は、基本的には痛みを伴わない保存療法から開始します。マウスピース治療や理学療法などは、痛みを感じることはほとんどありません。
顎関節症の治療期間はどのくらいですか?
顎関節症の治療期間は、症状の程度や治療法によって異なります。数週間で改善する場合もあれば、数ヶ月以上かかる場合もあります。当院では、患者様一人ひとりの状態に合わせて、治療計画を立案し、丁寧にご説明いたします。
顎関節症の治療費はどのくらいですか?
顎関節症の治療は、ほとんどの場合、保険診療の範囲内で行われます。マウスピース治療も、保険適用となります。ただし、一部の特殊な治療や検査は、保険適用外となる場合があります。詳しくは、カウンセリング時にご説明いたします。
マウスピースはどんな時に使いますか?
マウスピースは、主に就寝時に装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる顎関節や歯への負担を軽減します。また、日中の食いしばり癖がある方にも、使用をおすすめする場合があります。
顎関節症を予防する方法はありますか?
顎関節症を完全に予防することはできませんが、以下のようなことに気をつけることで、リスクを減らすことができます。

  • 正しい姿勢を保つ
  • 硬いものを噛みすぎない
  • 左右均等に噛む
  • ストレスを解消する
  • 定期的に歯科検診を受ける
  • TCH(歯列接触癖)に気をつける

About the Author: 中村 紗千子

SACHIデンタルクリニック院長 / 2016年 日本歯科大学生命歯学部生命歯学科 卒業 / 2017年 東京医科歯科大学(現:東京科学大学)歯学部 臨床研修修了 / 2025年 SACHIデンタルクリニック開院

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